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[2026.09.03] NEWS VRグラスは、スマホの次になれるのか

VRグラスは、スマホの次になれるのか

かつてGoogleは、Google Glassで「メガネ型コンピュータ」の未来を見せようとした。

目の前に情報が浮かび、手を使わずに写真を撮り、会話しながらネットにつながる。発想だけを見れば、まさに未来だった。けれど、その未来は少し早すぎた。見た目の違和感、カメラへの不安、価格、使い道のわかりにくさ。結局GoogleはGlass Enterprise Editionの販売を2023年3月に終了し、同年9月にサポートも終えた。

つまりGoogleでさえ、この分野では一度つまずいた。

ところが今、VRグラスやARグラスは再び熱を帯びている。しかも今回は、単なる「未来っぽいガジェット」では終わらないかもしれない。XREALのようなメーカーは、グラスを巨大モニターの代わりとして使う方向で進化させている。XREAL One Proは約87gという軽さをうたい、目の前に大画面を表示する“持ち運べるディスプレイ”として現実的な使い方を提示している。

これは大きい。

なぜなら、人は未来そのものよりも、まず「今の不便を減らしてくれる道具」を受け入れるからだ。
いきなり空間コンピュータと言われても難しい。けれど「カフェでも新幹線でも、目の前に大きなモニターを出せます」と言われると、急に現実味が出る。

さらに、MetaのAIグラスも存在感を増している。Ray-Ban MetaはAIグラス分野で世界No.1の販売実績を達成したとMetaは発表しており、日本でも2026年に展開が進んでいる。
カメラ、音声、AI、通知、翻訳。スマホを取り出さなくても、視界と耳元で情報処理ができる世界が近づいている。

もちろん、課題はまだ多い。

軽さ。
発熱。
バッテリー。
価格。
見た目。
そして何より、「人前でつけても恥ずかしくないか」。

ここを突破できなければ、どれだけ高性能でも日常には入ってこない。Google Glassが教えてくれたのは、技術だけでは世界は変わらないということだった。

ただし、今のグラス型端末は、当時とは明らかに違う段階に来ている。AIが入り、表示技術が進み、スマホやPCとの連携も自然になってきた。数年後には、iPhoneを完全に置き換えるとまでは言えなくても、「スマホを見る時間のかなりの部分を奪う端末」になる可能性は十分にある。

スマホは、ポケットから世界を取り出す道具だった。
VRグラスやARグラスは、世界そのものに画面を重ねる道具になる。

Googleは一度、この未来から撤退した。
AppleもVision Proで重さと価格の壁にぶつかった。
それでも各社が諦めないのは、この先に「スマホの次」が見えているからだ。

本当に世界を変えるVRグラスは、たぶん発表会で大げさに驚かれるものではない。
街中で誰かがつけていても、誰も振り返らない。
それくらい自然になったとき、私たちはいつの間にか、ポケットのスマホではなく、目の前に広がる画面で世界を見ているのかもしれない。